日本のマット界をダメにしたA級戦犯


私、アキがプロレスに興味がなくなって久しい。
前田日明の引退を機にあれほどのプロレス熱はどこへやら、以来すっかり足が遠のいてしまいました。

それから10数年・・・今ではどれだけの団体があって、誰がどこに所属しているのか全く分からず、すっかりマット事情に疎くなってしまいました。
しかし、それでも昭和プロレスを始めとするオールドネタには今でも関心があります。
未練がましいと言われればそれまでですが、ただこれだけは言わせてもらうと、あの頃は今と比較できないほど面白かったしかっこよかった。
言ってみれば壮大なストーリーをリングを通じて見ていたような感じ。
そしてニューリーダー達には説得力があったし、うかつに近寄れない威圧感や圧迫感があった。
そう、うかつに近寄れない魅力というやつ。
あの頃のマット界が魅力的だったのは力道山の頃のしきたりがまだまだ生きていて、閉鎖的で封建的な風潮だったからこそではないかと私は思う。
団体を旗揚げするにしても相当な覚悟や責任と言ったようにとても重いものを背負っていたというのが伺える。

ところが今じゃ・・・

ちょっと鍛えれば誰でもお手軽にレスラーを名乗れ、誰でもお手軽に団体を旗揚げしてしまう。
いつからマット界はこんなお手軽な世界になってしまったんだろうか。
いきなりマット界がダメになるわけがない。
かならずきっかけがあるはず。
これは飽くまで私の主観だが、マット界をダメにした犯人は次のとおりだと思っている。

大仁田厚

ターザン山本

まず、大仁田。
全日本プロレス所属だった彼は膝の故障が原因で引退を余儀なくされる。
それからは事業を展開するがことごとく失敗し、どん底生活を送るが、一方でフリーレスラーとしてジャパン女子やパイオニア戦志のリングに立ち奮闘。
その間、UWFに果たし状をたたきつけようとするも神氏の「チケット、持ってますか?」の一言であっけなく門前払い。
わずか5万円の資金で団体を立ち上げ、元祖インディーズの称号を欲しいままにした。
この団体は大ブレイクし、一気に知名度をあげるが、同時にこの大ブレイクが日本のマット界をダメにするきっかけになる。
底辺から団体を立ち上げ、一気に新日や全日に次ぐ人気団体になった事はある種の「サクセスストーリー」となる。
大仁田の「サクセスストーリー」をすっかり真に受け、我も我もと団体を立ち上げ、その結果インディーズ団体乱立状態と言う弊害をもたらすきっかけになったのだった。
そもそも立ち上げた際のスローガンなどあってないようなものなので、気迫のようなものがまるで感じられず、また団体を背負っているというプライドもないのでそうなると必然的にレスラーの質も低くなる。
団体が乱立すると当然ながらその分、レスラーの数も増えていくわけだが、数は増えても質が低ければ低レベル化を招くのは当然の結果。
当然ながら試合のクオリティも低くなる。
そうした低レベル化を引き起こす要因になったのは大仁田が立ち上げた団体ではないだろうか。
しかも大仁田はこれらを目の当りにしていながら、何も警鐘を鳴らさなかった。
やはり大仁田の功罪と言える。

次に、ターザン山本。
彼は「週刊プロレス」の元編集長で週プロの部数を大きく伸ばした実績を持ち、初代タイガーマスクの「素顔」にインタビューを試みた実績もある。
プロレスマスコミに影響力を持つ人物とされているが、何かと問題を引き起こす人物でもあった。
とにかくトラブルが多かった。
その結果、取材拒否になる事が幾度となくあった。
問題を引き起こすだけではなくジャーナリストとして問題のある人物でもあった。
自己顕示欲が強いのかジャーナリストということを忘れ何かと前面に出たがるところもあった。
また、非常に好き嫌いが激しい性格のようで、嫌いなレスラーや関係者を容赦なくこき下ろし、散々持ち上げておきながらいざ、気に食わない事があると一転して誹謗中傷に近いバッシング記事で攻撃。
その代表例が天龍だ。
龍原砲・天龍同盟の時代、あれだけ天龍を持ち上げておきながら、いざSWSへ移籍すると容赦ない中傷記事を書きたてた。
読者の投稿を捏造する事もあった。
高野俊二氏が酔った勢いでファーストフード店で横暴を働いたという内容だった。
そうした彼の傍若無人な誌面はにわかファンや質の低いファンを増殖する一因となった。
しかし、彼には妙なカリスマ性のようなものがあったのだろうか、多くのファンが存在し、ターザンの言う事にいちいち酔いしれていたのだった。
そして公正な目を奪い、その結果、ファンの質を著しく低くしてしまったのだった。
後に彼はベースボールマガジン社を追われ、今では日の目を全く見ない状態にある。

余りにも大きな後遺症を残したこの2人は既にマット界から離れて久しい。
2人は一体、今のマット界を観て何を思っているのだろうか。

最後に・・・

三沢氏が事故で亡くなり、これを機にレスラーをライセンス制にしようという声が挙がっているが、これは是非実現してほしいと思う。
そうでなければ亡くなった三沢氏が気の毒でならない。
できれば、このライセンスの中にはレスラーの品格も加えて頂ければと願う。