ある意味、貴重な本

投稿者: | 2023年2月26日

【注】 この記事はお受験ブログに投稿していたものを再編集したものです。

2007年に「お受験ちゃん」と題した小学校受験合格記が出版されました。
副題に「すべっちゃった体験記」とあるように小学校受験「不合格記」ですが、Amazonや書評サイトでは酷評されまくり状態。

さて、この「お受験ちゃん」について・・・。
私がこの本の存在を知ったきっかけはサブカル母様のブログでしたが、既に絶版になっていたので、古本で購入しました。
著者は女性で所謂ギョーカイ人当時保育園児の長女「ウカリちゃん」が本書の主人公。
セーラームーンのような制服にお城のような校舎、そんな娘を華麗に送迎する自分の姿に憧れて「西洋平和小学校」受験を決意。個人経営の幼児教室に入会し、お受験の日々が始まるわけですが・・・確かにAmazonのレビューや書評サイトで酷評される理由がわかる内容でしたし、サブカル母様が「反面教師」と評するのも納得できる内容でした。
当時、受験準備中だった私でも不合格の理由がわかる気がしたほどでした。
不合格の理由は、ズバリ「それ、やっちゃダメ!」の連続だったこと。

では、どのあたりが「それ、やっちゃダメ!」な点なのか、そのポイントを次のとおりにまとめてみました。

 

ブランドで学校を選ぶ
「西洋平和小学校」は良家の子女が通っていることで有名なお嬢様学校。
「ウカリちゃん」の資質を度外視してブランド校を選ぶのは如何なものでしょうか。
あと、この著者は他校の説明会にも参加しているようですが、全てブランド校なんですよね。

 

噂に振り回されすぎ
関東であろうが関西であろうが、スリッパの材質なんて誰も見ちゃいません。
革のスリッパでなければいけないなんて噂をどうして信じるかな。

 

ブランドにこだわりすぎ
志望校選びからもわかるように、著者のブランド好きっぷりが随所に見受けられました。
「ウカリちゃん」の受験服は全身ファミリア、著者のスーツはミスアシダにバッグはフェラガモ。
健康診断書はあのセレブ産院。
う~ん・・・。

 

ペーパー一辺倒な印象
本書では「ウカリちゃん」がくる日もくる日もペーパーをこなし続ける描写が多々ありますが、面接対策まで手が回らなかったのか本番は緊張のあまり、消え入るような声だったそうです。
考査当日、一本橋遊びをしていた際に受験生の女児から「お先にどうぞ」と譲ってもらうばかりだったという点から行動観察対策もあまり行っていなかったことが本書で窺えます。

 

 

これらの点からお分かりいただけたように、著者は、小学校受験のなんたるかをよく理解しないまま小学校受験にチャレンジしたことが窺えます。
小学校受験の何たるかをよく理解していなかったが故に妙な噂に振り回されたり学校選びを誤ったわけですが、同時に全身ブランドで固めても合格できないことや、ブランドで学校を選んではいけないと警告してくれている貴重な本でもあります。
まさにお受験版・しくじり先生とも言うべきですね。

しくじりの連続とも言うべきお受験顛末記ですが、実は、この本には五つの潤いがあります。
まず一つ目の潤いは、不合格になっても決して怨み事を言わなかったこと。
時々、不合格になった途端に志望校への怨み事をこぼすなど「すっぱい葡萄」を地で行く残念な親を見かけますが、著者は、決して「すっぱい葡萄」にならず、街で見かけたお受験親子を応援し続けていたそうです。
二つ目の潤いは、何だかんだで家族仲がいいこと。
もうね、これが一番!
三つ目の潤いは、長男を中学受験に合格させた実績があること。
きっと著者は、中学受験向きなのだと思います。でも、これってすごいことですよ!
四つ目の潤いは、著者自身が前向きな性格であること。
「ウカリちゃん」は、近所の公立小に進学することになりましたが、学校でたくさんの友だちを作り、地元のサッカーチームの紅一点として活躍しているそうです。
こうして「ウカリちゃん」が毎日を楽しく過ごせるのは、著者が前向きだからではないでしょうか。
五つ目の潤いは、著者が自分自身を楽しんでいること。
著者は仕事に育児に追われる一方でサンバカーニバルで踊るなど多彩な趣味を持っておられます。
そうです。ママは子どもの教育一辺倒になるあまり、自分自身をないがしろにしてはいけないのです!

確かに反面教師の側面がある本ですが、自らの失敗談を出版したその勇気は評価されるべきではないかと私は思います。