何とも過激なタイトルですみません。
さて、タイトルにもあります「行ってはいけない私立中」ですが、それはズバリ
を指します。
それは偏差値であったり校風であったり生徒さんの層であったり広範ですが、いずれにせよ全体的にお子さんに合わない学校こそがタイトルにもある「行ってはいけない私立中」と言えるのではないでしょうか。
加えて、親御さんが一方的に決めた学校も「行ってはいけない私立中」と言えます。
これについては表立って書くのもどうかと思いましたが実例があります。
私の知人女性のお子さん(Aくん・仮名)のケースです。
お子さんと言ってもすでに成人してますので、ずいぶん昔の話になります。
知人は所謂お屋敷町に住んでいました。
お金持ちゆえなのか、小学校受験や中学受験が盛んな地域であり、特に中学受験をするのが常識と言わんばかりの地域でした。
Aくんは地元の公立小に通っていましたが、粗暴な性格の男児からいじめに遭っていました。
Aくんがいじめを受けていることに悩んでいた知人女性はAくんに中学受験を勧めるのですが、志望校を「ある難関校」に一方的に決めてしまいました。
前述でも書いたように中学受験が常識のような地域であり、受験するなら有名校と言わんばかりの風潮があったそうで、無言の重圧に流されるかのように志望校は難関校一択となったようです。
特に知人女性宅は会社を経営していましたので世間体に流されてしまったところがありました。
苦労の末、どうにか「ある難関」校に合格したAくんでしたが、親御さんに言われるままの受験でしたので本人にそれほどの熱量がなく、合格と同時に燃え尽きました。
燃え尽きたまま入学したAくんには4つの地獄が待っていました。
ひとつめの地獄は、一学期早々から授業についていけなくなったこと。
ふたつめの地獄は、あっという間に深海魚になったこと。
みっつめの地獄は、成績至上主義な学校ゆえクラスで孤立したこと。
よっつめの地獄は、担任から見放され退学勧告を受けたこと。
いじめから脱出するための中学受験だったはずなのに、茨の道を歩く結果になりました。
退学後、しばらくは引きこもりのような生活でしたが、どうにか立ち直り通信制高校を経て大学に進学し、今は会社員として元気に頑張っています。
身の丈にあわず、あまつさえ自分の意志ではなく親御さんが一方的に決めた学校に進学するとどうなるかがおわかりいただけるケースではないでしょうか。
Aくんにとって「ある難関校」こそが行ってはいけない学校でした。
後に知人女性は、自身が思っているほど地域の人たちはAくんの進路に興味がなかったのではと悔やんでいました。
ところでこのケース、どこかで聞いたことがありませんか?
そうです。
「二月の勝者」に登場するアキラくんと全く同じですよね。
念のために申し上げますが、前述のケースは断じて「二月の勝者」の模倣ではありません。
私の知人女性とそのお子さんの身に起こった全くの掛け値なしの実話です。
だからこそ「二月の勝者」を読んだときは知人女性のことを描いているのかと思ったほどびっくりしましたし、「二月の勝者」が中学受験のバイブルと言われる理由がよくわかりました。
先ほどは知人女性のケースは掛け値なしの実話と申し上げましたが、決してレアケースではないのかもしれません。
最後になりますが、自分の意志がない志望校選びは茨の道を歩む恐れがあります。
中学受験において自分の意志があるかどうかが決め手になるように思えてなりません。
結論:
行ってはいけない学校とは身の丈に合わない学校。
自分の意志がない志望校こそが「行ってはいけない学校」。
アキラくんのエピソードはこちらの巻に収録されています。
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【参考リンク】